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神のみぞ知るセカイ~祈りと呪いとキセキ~

『神のみぞ知るセカイ~祈りと呪いとキセキ~』
著:有沢まみず
原作:若木民喜
出版:ガガガ文庫



 『いぬかみっ!』は未読ですけど、この有沢まみずという作家が書く話って本当に面白いですね。理想のテンポを極めている感じがします。シェイシェイハ!!シェイハッ!!シェシェイ!!ハァーッシェイ!!


 神のみぞ知るセカイのノベライズ第二弾。今回は短編集とのことですが、実際は中編が一篇、あと短編が二編かな。
 読み終えたときに、この本の最後を飾る短編『レイニー・ブルー・ストーリー』の、


「……なぜ、雨の中、傘を差さないの?」
(中略)
「なにもないから。大事なものが」


 という一連のやり取りがすごく印象に残りました。『銀色ふわり』で感じた、息苦しさを覚えるほどの儚さが垣間見える。もうなんか、好きです。


 というわけで、本編の大半をしめる中編について。

 ギャルゲーと共に生きる『落とし神』――こと桂木桂馬はある日、不思議な店で『西恩灯籠』という作品を手にした。
 桂馬が生まれる前に作られた作品であり、ネット上の噂では傑作と名高い『西恩灯籠』との出会いに桂馬は歓喜し、いつものようにヒロインを救う為、攻略を開始する。
 しかし、『西恩灯籠』にまつわる噂はそれだけではなかった。
 “ギャルゲー界の呪われた鬼子”、『西恩灯籠』のオリジナルロットには恐ろしいものが隠されていたのだった。


 手に入らない名作、なんて言われると心躍りますね。まあ実際のところ、昔の名作と言われるもので、メーカーが消えていたりしたらえらい高値がついていて、どこにいっても手に入らない、なんて事態も珍しくないでしょう。DL販売で再版されたりすることもあるようですけど。永留守なんかはそうですね。良い子はヤフーでググったりしないように! ああ、そういえば「リアルな妹のいる大泉くんのばあい」ってめちゃくちゃ面白そうですね。どうにもこうにも波に乗り損ねたようです。二次元アンテナの感度が悪いんですよ、最近。良いマンガも見つからないし。絶滅したわけじゃないだろうに。二次ロリ美少女はどこですか。

 まあ、それはさておきましょう。
 こういう設定そのものもさることながら、なんといっても面白いのは、この話には攻略という攻略がないこと。じゃあ、なにやってんのというと、桂馬はひたすらゲームをしてます。最初から最後まで主人公はさほど動かない。物語としてはわりかし珍しい部類ですね。とはいえ、それでも話が成り立ってしまうから、神のみなわけです。
 神のみぞ知るセカイという世界観だと、一話につき基本はヒロイン一人で、そのヒロインのためにあらゆる舞台装置が用意されるんですよね。だからこそ、本来ただの日常であるはずのものをイベントに変えることができ、日常における出来事の収束をエンディングとして見ることができるわけですが、今回は桂馬とヒロイン間でのイベントがほぼ無い。桂馬、ヒロイン、エルシィがあるイベントに巻き込まれるという形になっています。言ってしまえば、神のみぞ知るセカイ“らしくない”展開です。
 しかし、それでも今回のヒロインにはやはりいつも通り駆け魂が宿っています。攻略をしなければならないはずなのに、桂馬はゲームをやっている。それこそ、本編に挟まれる日常エピソードのように。
 イベントと、桂馬にとっての日常。神のぞ知るセカイらしくないですが、神のみぞ知るセカイでなくては成り立たないというこの不自然すぎる自然さ。この対比には読んでいて心地よいものを覚えました。


 逆転の発想ですね。二次創作だからこそできる作品なのかもしれません。原作設定がわかる人こそ楽しめるというべきか。この調子だと、このノベライズ第三弾もあるかもしれませんね。結構楽しみ。
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